Menu

再生可能エネルギー:固定価格買取制度の運用見直し等について(太陽光発電事業を中心として)

資源エネルギー庁は、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成二十三年八月三十日法律第百八号)(以下「再エネ特措法」という。)に基づく再生可能エネルギー発電設備の接続申込に対し、複数の一般電気事業者(以下「電力会社」)で回答保留が生じている状況を踏まえて、平成26年12月18日付けで「再生可能エネルギーの最大限導入に向けた固定価格買取制度の運用見直し等について」[1]及び同19日付で「平成26年度の固定価格買取制度に係る設備認定及び設備認定の運用見直しについて」[2](以下、併せて「本件見直し」という。)を発表した。本件見直しは、総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会新エネルギー小委員会及び同小委員会系統ワーキンググループ(以下「系統WG」)における電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成23年法律第108号、以下「再エネ法」という。)に基づく固定価格買取制度(以下「固定価格買取制度」という。)に係る問題点の整理及び当面講ずべき対応策の検討結果を踏まえたものであり、現在、本件見直しに関連する省令・告示改正案についてパブリックコメントの募集が行われている。[3] 太陽光発電事業の事業者及び投資家は、本件見直しにかかる改正を慎重に検討する必要がある。

1. 固定価格買取制度の運用見直し

(a) 運転開始前の発電出力の変更

現行の固定買取価格制度においては、太陽光発電事業の固定買取価格は、経済産業省(以下「経産省」という。)により設備認定を受け、電力会社に接続申込みを行った場合に当該時点の価格が適用される。当該プロジェクトの20%未満の出力変更については、軽微変更として経産省に軽微変更届出書を提出することにより、プロジェクトの再度の見直しなく、行うことができる。当該プロジェクトの20%以上の出力変更については、経産省の変更認定を必要とし、固定買取価格は当該変更認定がなされた時点の固定買取価格に変更されることとなる。

本件見直しにおいては、運転開始前に、太陽光発電設備の発電出力について当初の経産省の設備認定通知書に記載された出力から変更[4]を行う場合には、すべて変更認定を受けることが求められ、固定買取価格は、その変更認定時の固定買取価格に変更される。変更認定にあたっては、50kw以上の設備については、原則変更認定から180日以内に変更後の仕様の設備を確保することを条件とし、これが確保できない場合は認定が失効する。

上記ルールは 平成27年2月1日以降の発電出力の変更申請から適用されることとされている。

太陽光発電設備の発電出力の変更を計画している事業者は、現行のルールの適用を受けるためには、平成27年1月30日までに該当する経済産業局の認定担当部署に軽微変更届出書又は変更認定申請書を提出することが必要となる。

(b) 運転開始前の太陽電池の仕様変更

現行の固定買取価格制度においては、経産省より設備認定を受けた太陽光発電設備について、運転開始前に、太陽電池のメーカー、種類、変換効率、型式番号を変更する場合には、原則軽微変更と扱われ、経産省への軽微変更届出書を提出すれば足りる。[5]

本件見直しにおいては、運転開始前に、太陽電池のメーカー、種類、変換効率、型式番号を変更する場合、変更認定を受けることが求められ、特に太陽電池のメーカー、種類、変換効率の低下を申請する場合、固定買取価格は、その変更認定時の固定買取価格に変更される。[6] 変更認定にあたっては、50kw以上の太陽光発電設備については、原則変更認定後180日以内に変更後の仕様の設備を確保することを条件とし、これが確保できない場合は認定が失効する。

上記新ルールは 平成27年2月1日以降の太陽電池の基本仕様の変更申請から適用される。

現在太陽電池の基本仕様の変更を計画している事業者は、現行ルールの適用を受けるためには、平成27年1月30日までに該当する経済産業局の認定担当部署に軽微変更届出書(又は該当する場合には変更認定申請書)を提出することが必要となる。

(c) 運転開始後の出力増加

現行の固定買取価格制度においては、太陽光発電設備について、その運転開始後に、発電出力の増加を行う場合、固定買取価格は変更されない。本件見直し後は、増加部分は別設備として新たに認定される必要があり、出力の増加部分については、当該認定時点の固定買取価格が適用されることとなる。[7]

かかる場合に、事業者の選択で、出力増加部分についての新規認定を行わずに、出力増加部分を含めて既存設備全体として発電出力の増加の変更認定を申請する場合には、既認定部分を含めた設備全体について当該変更認定時点の固定買取価格が適用されることとなる。

なお、運転開始後の出力の減少については固定買取価格は変更されない。

上記ルールについては平成27年4月1日以降の太陽光発電設備の出力増加に係る変更申請から適用される。

既に稼働している太陽光発電設備の事業者が出力増加を計画している場合、現行ルールの適用を受けるためには、軽微変更届出書又は変更認定申請書を各経済産業局の認定担当部署に平成27年3月31日までに提出することが必要となる。

(d) 固定買取価格の決定時期

前記のとおり、現行ルールにおいて、固定買取価格は「接続契約の申込みに係る書面を電気事業者が受領した時点又は設備認定時点のいずれか遅い日」を基準時点として固定買取価格が決定される。

本件見直しにより、固定買取価格は太陽光発電の事業者と電気事業者間での接続契約の締結時点の固定買取価格が適用されることになる。本件見直し後のルールは、平成26年3月31日までに、平成26年度の固定買取価格適用の条件を充足しなかった案件に適用されることとなる。平成26年度中に、固定買取価格適用の条件を充足した場合(国の認定を受け、電力会社に接続契約を申し込んだ場合)は、接続契約の締結が平成27年4月1日以降になるとしても、平成26年度の固定買取価格(32 円/kwh)が適用される。

2. 接続枠の空押さえの防止

固定買取価格制度の現行ルールでは、正式な接続契約や接続工事費負担金の入金前に、接続枠の確保ができ、接続枠を確保した後、迅速に進展しない又は全く進展しない案件が存在する。こうした空押さえ案件に対処するため、本件見直しでは、接続枠の確保を接続契約時点とした上で、当該契約の締結にあたり、発電事業者が、「工事費負担金を接続契約締結後1か月以内に支払わない場合」や「運転開始予定日までに運転開始に至らない場合」には電力会社が当該契約を解除できることとすることに同意しないときは、電力会社が接続拒否を行うことができることとされる。

なお、当該接続拒否は、上記ルールの適用開始(平成27年1月中旬の予定)までに接続申込を行った案件には適用されない。

3. 新たな出力制御ルール及び指定電気事業者制度への指定等

現在、500kw以上の太陽光発電・風力発電に義務づけている出力制御について、500kw未満の太陽光発電・風力発電にも拡大される。

また、現在の固定買取価格制度において、年間30日まで行える無補償の出力制御について、太陽光発電については年間360時間まで、行えるように見直される。これは電気事業者が、時間単位で接続容量をきめ細かに調整することを可能とすることを意図するものである。

平成26年12月22日付けで再エネ法施行規則の規定に基づき太陽光発電設備について、従来より指定されていた北海道電力に加え、新たに東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力及び沖縄電力が指定電気事業者に指定された。これにより、これらの各電気事業者について、接続申込量が接続可能量を上回った場合[8]には、年間30日(上記見直し後は360時間)を超えた無補償の出力制御を受ける可能性があることを前提に接続することを可能とする。



[1] http://www.meti.go.jp/press/2014/12/20141218001/20141218001.html

  http://www.meti.go.jp/press/2014/12/20141218001/20141218001.pdf

  http://www.meti.go.jp/press/2014/12/20141218001/20141218001-B.pdf

  http://www.meti.go.jp/press/2014/12/20141218001/20141218001-A.pdf

[2] http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/20141219_nintei.pdf

[3] 本メモランダムの内容は本件見直しに基づくものであり、パブリックコメントに基づき変更されることがあり得る。

[4] ただし、「電力会社の接続検討の結果に基づく出力変更」等は除外される。

[5] ただし、当該変更により、認定発電設備に係る点検、保守及び修理を行う体制の変更が生じる場合等一定の場合には軽微変更届出書でなく、変更認定が必要となるが、現行ルールにおいてはかかる場合でも固定買取価格の変更は生じない。

[6] ただし、認定取得時に使用予定であった太陽電池が生産終了、型式変更等になった場合であっても、太陽電池のメーカーと種類を変更せずに、変換効率が向上した後継品等へ変更する場合には、固定買取価格は変更されない。又、事業者が「当該変更前のメーカーの倒産、当該変更前の種類の太陽電池の製造事業の譲渡、又は製造事業からの撤退」についての客観的事実を証する書類を提出した場合も例外として除外される。

[7] ただし、10kw未満の太陽光発電は除外される。

[8] なお、接続可能量と接続申込量につき以下ご参照。http://www.meti.go.jp/press/2014/12/20141218001/20141218001-A.pdf


全文をPDFでご覧いただくには、こちらをクリックしてください