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クライアントアラート

中東における紛争: プロジェクト契約における主要な法的留意点

March 23, 2026

By Ibaad Hakim,Habeeb Rahman,Ronak D. Desai,Charles Anderson,Yulia Turkinaand Elliott Hunt

中東で続く武力衝突やホルムズ海峡における海上輸送の混乱は、湾岸協力会議(GCC)地域のプロジェクトや、湾岸の航路に依存するプロジェクトに差し迫ったリスクをもたらしています。

契約の履行に影響を受けている様々なセクターの企業様におかれましては、利用可能な契約上および法令上の救済措置を特定するため、既存の契約内容を見直し、適用法令の分析を進められることが推奨されます。

概要

  • 紛争およびそれに伴うホルムズ海峡の海上輸送の混乱は、GCC地域におけるビジネスや商業活動に差し迫った契約上のリスクをもたらしています。
  • これらのリスクは多岐にわたり、物理的な損害、サプライチェーンの分断、制裁や輸出制限、国内供給を優先するための政府の介入、労働力・設備・輸送に影響を与える物流上の制約など、様々な形でプロジェクトや商業活動に影響を及ぼす可能性があります。
  • 特に、エネルギー、海運、インフラ、建設、テクノロジー分野で事業を展開する企業様におかれましては、紛争によって契約の履行に影響が生じた場合に備え、利用可能な救済措置を評価するため、適用法令の精査や既存の契約内容の見直しを行っていただくことが重要です。
  • 契約の履行への影響は今後も継続する可能性があるため、各当事者は、プロジェクトや商業活動に対する紛争の影響を軽減するための対応に直ちに注力する必要が生じるかもしれません。
  • 今後締結される契約につきましては、紛争に関連するリスクが契約条件で十分にカバーされているか、あるいは追加の保護措置が必要かどうかを慎重にご検討ください。
  • 現段階では、紛争の中長期的な影響を予測することは困難です。しかしながら、ビジネス環境の不確実性が高まり、将来の計画策定(およびリスク対応策の確定)が困難になることや、コモディティ、設備、資材の価格変動が生じることが予想されるため、同地域における今後の商業契約においては、当事者間でリスク分担についてより綿密な協議を行うことが求められます。

重要な航路における混乱

紛争は引き続き、地域全体における資材、設備、商品の供給に重大な混乱を引き起こしています。とりわけ、アラビア湾とオマーン湾を結ぶ重要な航路であり、世界の石油供給の約5分の1、および大量の液化天然ガス(LNG)や石油化学原料が毎日通過するホルムズ海峡の海上輸送への影響が顕著です。

このような大規模な航路の混乱は、エネルギー市場をはるかに超える影響を及ぼします。船舶の通航制限は、貨物輸送の遅延やグローバルな調達網の分断を招き、インフラ、産業、テクノロジープロジェクトで使用される重要な設備の納入に支障を来すおそれがあります。中東全域の請負業者はすでにこうした課題に直面しており、人員の動員、工事の遂行、継続的なオペレーションの維持において困難を極めるケースが増加しています。

湾岸地域の海上輸送に依存している企業にとって、こうした混乱は契約履行上の差し迫った問題を引き起こします。さらに、今後の紛争の期間や激しさによっては混乱が長期化し、長期契約に影響を及ぼす可能性も視野に入れる必要があります。

契約の履行に支障を来しやすい領域

  • 通常、エネルギーおよびコモディティ市場は最も即座に影響を受けます。原油、LNG、精製品などの長期供給・引取契約には、テイク・オア・ペイ(引取保証)義務やアベイラビリティ保証など、厳格な引渡・履行義務が含まれていることが一般的です。したがって、船舶の積載や通航に影響を及ぼす制限は、売主がこれらの契約に基づく引渡義務を果たす能力に影響を与える可能性があり、引渡しの不履行が不可抗力(フォース・マジョール)に該当するかどうか、迂回や代替の権利が認められるか、引き渡しが滞った後の補填権がどのように機能するかといった問題が生じます。
  • 海運・海上契約の履行にも支障が生じる可能性があります。船舶の遅延や確保の困難さ、航路の変更、戦争保険料の高騰は、傭船契約や関連する貨物契約の履行に影響を及ぼすおそれがあります。こうした問題は、船舶が物理的には当該地域を通航可能であっても、運用上の制約や保険コストの増大が運航スケジュールに影響を与える場合に頻繁に発生します。このような課題から生じる責任とコストの配分は、引き続き当該契約における重要な検討事項となります。
  • 大規模な建設・インフラプロジェクトにおいても、タービン、変圧器、高圧電気部品などの特殊な設備が予定通りに納入されない場合、同様の課題に直面する可能性があります。グローバルなサプライチェーンにおける遅延は、プロジェクトのマイルストーンや完成スケジュールを危うくするおそれがあり、代替の調達手配は価格上昇を招く可能性があります。加えて、エネルギーインフラが標的となる可能性のある紛争地域で建設工事を行うことの実務的な困難さも軽視することはできません。

不可抗力条項の重要性

不可抗力条項は、当事者のコントロールが及ばない予期せぬ混乱が生じた場合のリスク配分を契約当事者間でどのように定めているかを判断するための一つの指標となります。本質的には、不可抗力条項はリスク配分のメカニズムであり、履行が不可能になったり、実質的に妨げられたりした場合に誰がその結果を負担するかについての、当事者間の合意を反映しています。

不可抗力条項により、影響を受けた当事者は契約上の義務の履行を免除されます。このような救済措置がない場合、契約の準拠法にもよりますが、影響を受けた当事者は、(i)法定の規定に依拠するか(ただし、これらは通常、個別の契約事情に合わせて詳細に定められているわけではありません)、または(ii)債務不履行や契約違反とみなされ、遅延損害金など契約で定められたペナルティの対象となる可能性があります。また、不可抗力事由が一定期間を超えて長期にわたり継続した場合には、契約の解除を認めているものもあります。

英国法および多くのコモン・ロー(英米法)体系の下では、状況が困難になったり商業的な負担が増加したりしたという理由だけで、自動的に契約の履行を免除する一般的な法理は存在しません。コモン・ローにおいてこれに最も近い「フラストレーションの法理(契約目的達成不能の法理)」は適用ハードルが極めて高く、履行が単に高額になったり運用が困難になったりしただけでなく、契約時に引き受けた内容と「根本的に異なるもの」になったことが要求されます。

他方、UAE、カタール、サウジアラビアなどGCC地域で広く採用されているシビル・ロー(大陸法)体系では、不可抗力の場合に法定の救済措置が設けられており、一部の管轄区域では、事情の変更によって履行が著しく困難になった場合の事情変更の原則に類する制度も存在します。例えばUAE民法は、履行不能の場合や、例外的な予見不可能事象によって履行が債務者にとって重大な脅威となる場合に、過酷な義務を軽減する裁判所の裁量権について定めています。しかしながら、法定の規定は包括的に起草されており、洗練された商業当事者間で交渉された具体的なリスク配分を反映するものではありません。したがって、同地域においては、不可抗力および関連する救済措置を契約書に明記し、当事者間で合意した具体的な義務、スケジュール、商業的取り決めに沿って権利の枠組みを構築することが引き続き標準的な実務となっています。

このため、本クライアント・アラートでは主に「契約上の権利」に焦点を当てています。とはいえ、契約の準拠法は常に背景として機能しており、場合によっては法定規定が契約上の枠組みを補完・制限したり、直ちに明確でない形で影響を及ぼしたりすることがあります。重大な影響が懸念される場合には、適用される法令上の位置づけについて個別の法的助言をお求めになることをお勧めいたします。

不可抗力による救済が認められる可能性があるケース

何が不可抗力を構成するか、あるいはいつ不可抗力を援用できるかについて、決定的なルールはありません。救済措置が利用可能かどうかは、該当する契約書の文言や、履行に影響を及ぼしている具体的な状況に依存します。

規定の文言は契約によって異なりますが、多くの不可抗力規定では、対象となる事象が以下の要件を満たすことが求められます。

  • 影響を受けた当事者の合理的なコントロールが及ばないこと
  • 特定の日(通常は契約締結日)以降に発生し、かつその日において予見不可能であったこと
  • 該当する契約上の義務の履行を妨げ、遅延させ、または実質的に阻害すること
  • 合理的な努力を行っても回避できなかったこと

また、多くの条項には該当事象の例示(戦争または敵対行為、テロリズムやサボタージュ、封鎖、禁輸・制裁などの政府の措置、輸送インフラの混乱など)が含まれています。一方で、経済的困難や価格高騰、上流での供給不足、不可抗力に起因しない設備の故障などを適用除外としているケースも少なくありません。この紛争が該当する契約義務に「直接的な影響」を与えていないと主張できる場合、これらの除外規定が抗弁として機能することがあります。

中東における過去の紛争においても、予想通り、同地域で事業を展開する企業によって不可抗力が援用されてきました。

  • タンカー戦争(1984-1988年):イラン・イラク戦争中、湾岸における船舶への攻撃により、石油供給契約や傭船契約において不可抗力が広範に援用されました。戦争保険料が急騰し、多くの売主が積載や通航が不能であると主張しました。これは現在の状況に最も近い歴史的類似例であり、不可抗力条項下の因果関係や損害軽減要件に関する実質的な仲裁の判例を生み出しています。
  • イラン制裁(2012年以降):EUおよび米国の制裁により西側買主がイラン産石油を購入できなくなった際、長期供給契約において不可抗力条項と法令変更(チェンジ・イン・ロー)条項の双方が援用されました。主要な争点は、制裁が政府措置の不可抗力に該当するのか法令変更に該当するのか、そして規制介入のリスクをどちらが負担するのかという点でした。

今回の紛争に起因して不可抗力条項を援用できるかどうかは、主に以下の4点に左右されます。

(1) 不可抗力の定義および適用条項自体の範囲、(2) 混乱が契約の履行を(単に高額かつ負担が大きくなるだけでなく)客観的に妨げているか、(3) 混乱と債務不履行の間に明確な因果関係が存在するか、(4) 適切な時期での通知や証拠書類の提出、損害軽減策の実施など、契約上の要件が遵守されているか。

戦争、敵対行為または海上輸送を制限する措置といった、当事者のコントロールが及ばないことが明白な阻害事象であっても、契約上の救済が利用可能か否かは、通常、相互に関連する複数の要素によって決まります。

条項の適用範囲

出発点は不可抗力条項自体の文言です。対象となる事象の詳細なリストを含んでいる条項もあれば、当事者の合理的なコントロールが及ばない状況を指す、より広範な文言に依拠している条項もあります。戦争、封鎖、政府の措置または輸送ルートに影響を及ぼす混乱に明示的に挙げている条項は、現在の状況下では援用しやすいと考えられます。

事象が不可抗力事象に該当し得る場合であっても、他の要件によって契約上の権利が妨げられたり、縮減されたりする可能性があります。例えば、不可抗力の定義において、当該事象が契約の発効日以降に発生したものであることが要求される場合があります。まだ締結されていない(ただし、締結が間近に迫っており、関連する義務が影響を受ける合理的可能性がある)契約については、この要件が不可抗力の枠組みの下での権利行使を妨げるように働く可能性があります。さらに、当該事象が予見不可能であることを求める要件は、契約締結時にすでに紛争が始まっていた場合、権利主張の妨げとなる可能性があります。

不履行の閾値(ハードル)

多くの条項は、事象が単に履行を高額・困難にするだけでなく、履行を「妨げる(不能にする)」ことを要求しています。航路が物理的に開かれているものの、遅延やルート変更、保険コスト上昇が生じている場合、「真の履行不能」と「コスト増や不都合」の線引きが中心的な争点となります。

因果関係

条項に依拠しようとする当事者は、通常、混乱をもたらす事象が「該当する契約上の義務」を履行する能力に直接的な影響を及ぼしたことを証明しなければなりません。代替のサプライヤーや輸送ルートが引き続き利用可能である場合、相手方からは、契約上の要件(不可抗力として認められる基準)を満たしていないと主張される可能性があります。

損害軽減義務

建設、調達およびオフテイク(引取)契約全般において、多くの場合、損害軽減義務が契約上の救済が適用されるか否かを決定づけます。不可抗力を援用する当事者は、通常、事象の影響を克服または軽減するための合理的な努力を尽くすことが求められます。実務上、この軽減策には、代替航路の検討や海運・物流のルート変更、代替の設備やサプライヤーの特定、物流手配や建設順序の調整、および(可能な範囲での)一時的な回避策の特定などが含まれ得ます。特に軽減措置に多額の費用を伴う場合、「何をもって商業的に合理的な軽減策とするか」について頻繁に争いが生じます。例えば、以下のようなケースです。

    • サプライヤーは、著しく高い市場価格で代替の燃料や原料を調達しなければならないか?
    • 請負業者は、プロジェクトのスケジュールを維持するために、大幅なコスト増を受け入れてでも代替設備を調達すべきか?
    • 事業者は、輸出のコミットメントよりも、国内インフラの回復力の維持を優先することができるか?

こうした論点は、不可抗力事象に起因する紛争において、しばしば中心的な争点となります。

通知要件

ほとんどの不可抗力条項には厳格な手続要件も含まれています。これには、事象発生時の速やかな初期通知や、事象の影響、事象を軽減または克服するために講じられている措置に関する詳細な定期報告のほか、影響を受けた当事者に対する裏付け書類および証拠の提供義務などが含まれます。これらの要件を遵守しなかった場合、契約上の救済の利用可能性に影響を及ぼし、結果として影響を受けた当事者が契約上の救済を得られなくなるように働くおそれがあります。

実務上、不可抗力をめぐる紛争を単一の要因のみで決着することは稀です。裁判所や契約の相手方は通常、契約の文言、履行に影響を及ぼしている事実関係、そして混乱に対処するために影響を受けた当事者が講じた措置を総合的に評価します。

不可抗力条項を超えた視点と企業が講じるべき実務的対応

不可抗力規定は既存のプロジェクトにおける影響への対処に一定の役割を果たしますが、限界もあります。したがって、新たに契約を締結しようとする当事者は、不可抗力の枠組みの「外」に、紛争や関連する救済に対処するための個別の特注事項を盛り込むことをご検討されるかもしれません。

紛争のエスカレーションにより、輸出管理・制裁の変更、ボイコット体制、国内供給を優先する緊急の政府指示、その他法律の変更を伴う政府の介入が生じる可能性もあります。このような場合、影響を受けた当事者への救済は、不可抗力規定とは別の「法令変更(チェンジ・イン・ロー)」の枠組みの下で処理されることが多く、異なる条件や通知要件、救済の権利が適用されることになります。また、不可抗力の場合と比較して、法令変更の方が(特に追加コストに関して)より手厚い救済が定められていることが一般的です。事実、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック時においても、法令変更に基づく請求が可能であったケースでは、不可抗力に基づく請求よりも好んで用いられたという実例があります。

実務的な観点から、紛争に起因する混乱の影響を評価する企業様におかれましては、自社のサプライチェーンやプロジェクトの取り決め全体にわたって、契約の履行にどのような影響が及び得るかという点にもご留意いただき、以下の対応をご検討いただくことをお勧めいたします。

サプライチェーンにおけるリスクの特定

主要な海上輸送路の混乱は、複数階層のサプライヤーや請負業者に影響を及ぼす可能性があります。現在当該地域を通過中の貨物、影響を受けている港で積載予定の貨物、そして物流ルートが湾岸の航路に依存しているサプライヤーを特定されることを推奨いたします。これらの依存関係をマッピング(可視化)することは、どの契約上の義務がリスクに晒されているか、そして遅延がサプライチェーン全体のどこへ波及していく可能性があるかを判断する一助となります。また、たとえ不可抗力による救済が認められたとしても、遅延がサプライチェーンに与える実務的な影響を考慮することも重要です。紛争に起因する遅延により、サプライヤーや請負業者はキャッシュフローの問題に直面する可能性があるため、そうした負担を軽減する方策を検討する必要が生じるかもしれません。分かりやすい例としては、建設プロジェクトにおいて、留保金保証の代わりに留保金の一部を支払うといった対応が挙げられます。

不可抗力、法令変更その他の類似条項および通知要件の確認

不可抗力および法令変更条項は、事象が履行に影響を及ぼした際の速やかな通知など、厳格な手続要件を課していることがよくあります。企業様におかれましては、供給、調達、EPC、海運およびオフテイク(引取)契約における関連規定を見直し、混乱をもたらす事象がどのように定義されているか、また履行停止が認められるためにどのような要件を満たす必要があるかをご確認いただくことが推奨されます。ある事象が不可抗力事象に該当するように見えるからといって、関連する条項が直ちに適用されると思い込まないことが重要です。実際、特定のケースにおいては、他の救済措置の方が適切であったり、有益であったりする場合があります。例えば、影響が主にコストの上昇である場合、特定の主要資材について適切に起草された価格変動調整条項の方が不可抗力条項よりも発動しやすいケースもあります。

混乱とその影響の記録

契約の履行に影響が生じる可能性がある場合、企業様におかれましては、必要な証拠および裏付け書類をすべて確保できるよう、生じた混乱や影響を適切かつタイムリーに記録していただくことが推奨されます。また、混乱の全容が明確になるまでの間、契約上の権利を保全するための「予備的通知(プロテクティブ・ノーティス)」を発出することもご検討ください。現在、多くの企業がこのような予備的通知を発出しているものと思われます。経験上、当事者が該当事象の影響を軽減または吸収することができた場合には、これらの通知の多くは最終的な請求には至らない可能性があります。

損害軽減策の評価

前述の通り、多くの不可抗力条項は、影響を受けた当事者に対し、混乱の影響を軽減するための合理的な措置を講じることを求めています。企業様におかれましては、そのような軽減の選択肢が利用可能かをご評価ください。検討した代替の物流手配を含め、軽減努力の記録をその都度、同時並行で残しておくことは、後日相手方から条項への依拠を疑問視された場合に極めて重要となる可能性があります。また、不可抗力条項の中には、軽減措置の実施に係る費用を(例えば、合意した閾値を超えた場合などに)当事者間で分割・按分すると定めているものもあり、そのような状況においては、当該費用の詳細な記録が不可欠となります。

川下(ダウンストリーム)における契約リスクの評価

ある契約に影響を及ぼす混乱は、関連する他の契約の下でもリスクを生じさせる可能性があります。資材や設備の納入遅延は、EPC契約のマイルストーン、供給契約の納入義務、あるいはプロジェクトファイナンスの誓約条項(コベナンツ)などに影響を及ぼすおそれがあります。したがって、企業様におかれましては、サプライチェーンの一部の混乱が、プロジェクトや取引構造全体に広範な契約上のエクスポージャーをもたらす可能性がないかをご評価いただくことが推奨されます。とはいえ、川下または川上に影響が及ぶ可能性があるものの、エクスポージャーの程度およびギャップ(契約上の空白)を把握するためには、それらの契約における関連条項をそれぞれ独立して分析する必要があります。

今後の展望

紛争の今後の展開や、それが同地域の商業に及ぼすより広範な影響については、依然として予測が困難です。しかし、明らかなのは、実態の進展に伴い法務・契約上の影響も変化し続けるということ、そして、潜在的なリスクを効果的に管理するためには、相手方、アドバイザー、保険会社との早期かつ積極的な連携が不可欠になるということです。自社の契約上の立場を監査し、タイムリーな通知によって権利を保全し、混乱と軽減努力を適切に記録するなど、今すぐ必要な措置を講じる企業は、目下の混乱とそれに続く長期的な影響の双方に対して、より有利な立場で対応することが可能となります。

現在の環境下で新たな契約を締結される当事者におかれましては、リスクが当初から適切に配分されるよう、不可抗力、法令変更および価格変動調整条項を慎重に起草することが極めて重要となってきます。ポール・ヘイスティングスは引き続き動向を注視し、状況の変化に応じてさらなるガイダンスを提供してまいります。それまでの間、本クライアント・アラートで触れた点について質問などがございましたら、当事務所のチームがサポートいたします。

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