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クライアントアラート

2026年度、年次報告シーズンの主な考慮事項

January 08, 2026

Sean Donahue and Doug Brown (Public Company Advisory); Aaron Charfoos and Michelle Reed (Cybersecurity); Amir Ghavi (AI); Ruth Knox, Brian Israel and Aaron Reuben (ESG & Impact); Kenneth Gage (Employment) and Spencer Young and Elizabeth Fleming (Capital Markets)

今年は、前年と比較して新たな開示要件が追加されていない、近年では珍しい年次報告およびプロキシ(議決権行使)シーズンとなります。それにもかかわらず、機関投資家の関心の変化や、トランプ政権下でのSEC(米国証券取引委員会)の優先事項の変更に伴い、いくつかの重要な開示項目に対するアプローチを見直していただく必要がございます。本アラートでは、年次報告およびプロキシシーズンに向けて、ESG、AI、サイバーセキュリティ、DEI、および一般的な開示文書作成における考慮事項について解説いたします。また、議決権行使助言会社の方針更新やその環境変化、SEC規則14a-8に基づく株主提案の除外プロセスの変更、さらに2026年中に想定される法制・規制面の動向についてもハイライトしております。

開示文書作成における考慮事項

>環境・社会的>要因に関する米国向け開示

2026年の年次報告シーズンは、米国で昨年から始まった「気候変動やESG関連の報告から距離を置く」という広範なトレンドが継続すると予想されます。(すべてではありませんが)多くの企業が、これらのトピックに関する大半の開示はForm 10-K(年次報告書)の目的においては「重要(マテリアル)ではない」と結論付けており、Form 10-Kでは法的に義務付けられた開示のみを行い、その他の情報は自社ウェブサイトや独立したサステナビリティ/インパクト報告書で提供する傾向にあります。欧州が引き続き詳細なESG報告を推進している一方で(後述の「オムニバスI」をご参照ください)、米国の報告義務の対象となる企業様におかれましては、環境・社会問題に関連する任意の開示は限定的かつ明確なものにとどめ、可能な限り株主の財務的利益と結びつけるようご留意いただくことをお勧めいたします。

SECの報告書とは別に、各州の規制によって義務付けられる環境情報開示へのご対応も必要となります。

  • カリフォルニア州は、SB 253(気候企業データ説明責任法)およびSB 261(気候関連財務リスク法)の実施を進めています。現在、両法は業界団体やビジネス団体の連合体により第9巡回区控訴裁判所で異議申し立てを受けており、同裁判所はSB 261の執行を一時停止する仮処分を認めています。SB 253の最初の報告要件は、8月10日に発効する予定です。また、カリフォルニア州大気資源局(CARB)は、2025年10月に報告書テンプレート案1およびガイダンスと併せて、対象となる企業の暫定リスト案を公表しました。CARBはすでにSB 253およびSB 261の特定の側面に関する規制案を発表しておりますが、これらの新法のその他の側面を明確にするための追加規制については、発表が予測されているものの現時点では未発表となっています。なお、2月27日にCARB主催の公開会議が予定されています。
  • カリフォルニア州ではすでにAB 1305が施行されています。同法は、企業が「ネットゼロ」や「カーボンニュートラル」、あるいは温室効果ガス(GHG)排出量の「大幅な削減」の達成を主張した場合に情報の一般公開を義務付けるほか、カーボンクレジットの売買およびマーケティングに関する開示も義務付けています。
  • 2025年には、ニューヨーク州(S.B.3456)、コロラド州(H.B.25-1119)、ニュージャージー州(S.B.4117)およびイリノイ州(H.B.3673)など、他の州でも同様の気候関連開示規則が提案されました。2025年12月1日、ニューヨーク州は、同州内に所在または同州内で事業を行う炭素集約型企業に対し、2026年の排出量データを対象として2027年からGHG報告の開示を義務付ける最終規則を公表しました。カリフォルニア州の気候開示法よりも対象範囲が狭く、特定の高排出セクターのみに影響を与えるものですが、このニューヨーク州の規則は、民主党が多数派を占める一部の州が将来的に気候開示の義務化を推し進めていくことを示す、もう一つの兆候と言えます。
  • 環境要因に関連する開示要件から距離を置くという、より広範なトレンドに歩調を合わせる形で、米国環境保護庁(EPA)は、温室効果ガス報告プログラムを事実上終了させる規則案を提示し、大気浄化法(Clean Air Act)に基づく温室効果ガス報告要件の一部を撤廃する計画を発表しました。

企業様におかれましては、これらの州ごとに異なる開示義務の動向を引き続きモニタリングしていただき、自社にとって最良の結果をもたらす媒体(例:自社のコーポレート・ウェブサイト、サステナビリティ/インパクト報告書など)において当該情報を公開するよう、ご対応を進めていただくことをお勧めいたします。

環境・社会的要因に関するEU向けの開示

EUの競争力強化と行政手続上の摩擦軽減を目指す戦略的転換として、EU機関は2025年12月中旬に「オムニバスI」パッケージを正式に承認しました。この画期的なパッケージにより、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)および企業サステナビリティ・デュー・ディリジェンス指令(CSDDD)の対象となる企業の範囲が縮小されます。

CSRDは、企業のサステナビリティ・パフォーマンスに関する情報開示、測定および報告を義務付けるEUの規制枠組みです。とりわけ、CSRDは「ダブルマテリアリティ(二重の重要性)」評価を要求しており、企業は「財務的マテリアリティ」(サステナビリティが企業の財務に与える影響)と「インパクトマテリアリティ」(企業が人々や環境に与える影響)の両方を開示しなければなりません。CSDDDはCSRDと密接に関連しており、大企業に対して、川下および川上の事業活動ならびにサプライチェーンにおける、人権や環境への負の影響を特定し是正するためのデュー・デリジェンスを実施することを義務付けています。

欧州に拠点を有する、あるいは欧州への大きな関わりを持つ米国企業様にとって、オムニバスIパッケージは以下の変化がもたらされます。

  1. 他の市場と比較して環境・社会的要因に関する詳細な開示を引き続き義務付ける一方で、CSRDおよびCSDDD双方の対象範囲を縮小すること。
  2. 報告メカニズムの簡素化。

さらに、議論を呼んでいた、企業に対する気候移行計画(気候変動トランジション・プラン)の策定および実施というCSDDDの要件は、全面的に削除されました。

2027年1月1日よりこれらの規則の対象となる子会社を有する米国企業様におかれましては、当該子会社がEUの規制報告義務を遵守できるよう、2026年中にコンプライアンス計画を策定する体制を整えていただくことが推奨されます。適用要件の詳細および今回の改革のより詳細な概要につきましては、弊所のクライアントアラートをご参照ください。

AI(人工知能)

SECのポール・アトキンス委員長は最近、「当委員会の原則ベースの規則は、AIが企業の財務結果にどのような影響を与えるか、AIがいかに投資の重要なリスク要因となり得るか、そしてAIが自社のビジネスモデルの重要な側面であることなど、あらゆる新たな進展による重大な影響について、企業が投資家に情報を提供できるように意図的に設計されています」と述べています。必須となる開示事項を合理化するという同委員長の全般的な目標に沿って、アトキンス委員長は、現在のところAIに特化した新たな開示ルールを策定する必要性はないとの見解を示しました。

したがって、企業様がForm 10-Kを作成される際は、AIの利用が既存の開示フレームワークにどう適合するかをご検討いただき、自社のAIの能力を正確に記述することに注力していただく必要がございます。誇張された表現(ハイパーボリックな開示)を避け、自社のAIが実際以上に高度である、能力が高い、自律的である、あるいは独自のものであるといった主張は控えるべきです。開示に関する考察においては、この技術が企業の経営成績、財務状況、および将来の見通しをどのように改善し得るかをご検討いただく必要がございます。将来のAIの展望に関する記述は、合理的な根拠に基づいたものに限定していただくようお勧めいたします。AIとその利用および能力を正確に記述することに加え、開示には、AIの利用に関連するリスクやAIツールの限界に関する考察も含めていただく必要がございます。すべての開示は、定型的な文言(ボイラープレート)を避け、各社の実情に合わせた具体的なものであるべきであり、また、企業にとっての根本的なマテリアリティ(重要性)に見合ったものである必要がございます。

いわゆる「AIウォッシング(AIの過剰アピール)」は、単にSECからの指摘を招くだけでなく、執行措置の対象となるリスクもございます。トランプ政権下の2025年4月、SECは初のAIウォッシングに関する執行措置として、非公開のテクノロジースタートアップであるネイト社の創業者兼元CEOのアルバート・サニガー氏を提訴しました。SECは、同氏が自社アプリへのAI統合の度合いについて投資家に誤解を与え、証券法第17条(a)ならびに取引所法第10条(b)および同規則10b5-1に違反したと主張しています。2

サイバーセキュリティ

企業様はすでに、2023年に導入されたSECのサイバーセキュリティ開示制度に基づく開示義務に慣れておられるかと存じますが、それでもなお、Item 106(項目106)に基づく開示内容については改めて批判的な視点で見直していただくことをお勧めいたします。3 これらの開示は、企業のサイバーセキュリティに関するリスク管理および戦略、ならびにガバナンスの監督状況について投資家に洞察を提供することを目的としており、ひいては、企業がサイバーセキュリティリスクを合理的に開示しているかどうかを判断する材料となります。

SECはこれまで、Item 106に関連する指摘事項を限定的ながら発行しており、概ね企業が同規則を技術的に遵守しているかどうかの確認に焦点を当てています。Item 106の開示文書を作成される際、SECからのコメントを避けるためには、最高情報セキュリティ責任者(CISO)の関連経験だけでなく、サイバーセキュリティの脅威による重大(マテリアル)なリスクの評価および管理に責任を負うシニアマネジメントの各メンバー(すなわち、情報セキュリティ監督委員会のメンバー等)の関連経験を確実に開示していただく必要がございます。また、Item 106(b)の各小項目にしっかりと対応する開示を含めるようご留意ください。4

さらに一部の企業では、SECが明確に定めた項目にとどまらず、ISSが発行する「Governance QualityScore」の評価項目に該当する内容(例えば、情報セキュリティリスク保険に加入しているか、情報セキュリティのスキルを有する取締役が何名いるか、過去3年間に情報セキュリティ侵害を経験したか等)を開示に組み込む動きも見られます。

年次報告シーズンは、企業にとって「マテリアリティ(重要性)」が自社において何を意味するかを再評価する良い機会でもあります。念のための確認となりますが、マテリアリティを判断する際、SECは上場企業に対し、定量的要因と定性的要因の両方を評価するよう指示しています。具体的には、直接的な予期せぬ悪影響に加え、事業運営、顧客関係、財務的影響、レピュテーションやブランド認識への長期的な影響、さらには訴訟や規制当局による措置の可能性などを考慮することが求められています。5/6

DEI(多様性、公平性、包摂性)

2025年の年次報告シーズンでは、DEI関連の開示を縮小する動きが見られました。企業は、「多様性」や「平等」といった言葉の代わりに「帰属意識」「包摂性」「機会均等」といった用語に焦点を当てて開示を再構築し、メリットベースの意思決定プロセスをより明確に強調する方向へとシフトしています。企業はすでに投資家の反応を測り、同業他社の2025年の開示状況から有益な知見を得る機会を持ったため、多くの企業が引き続きForm 10-K、委任状(プロキシステートメント)、および独立したESG報告書において、DEI関連の開示から距離を置くことが予想されます。

社内または外部の法務担当者(カウンセル)は、開示内容が法的要件を満たし、社内方針やプログラムと合致していることを確認するため、あらゆる開示を慎重にレビューしていただく必要がございます。その際、株主からのフィードバック、最近の裁判例、反差別法の執行に関する連邦政府の戦略転換、および株主代表訴訟のリスクなどを十分に考慮していただくことが推奨されます。7

ISSおよびグラス・ルイスは、2026年のプロキシシーズンにおける取締役会の多様性開示に対するアプローチを変更していません。ISSは2年連続で議決権行使推奨において多様性の要素を考慮しない方針です。一方グラス・ルイスは、取締役選任議案に対する推奨が少なくとも部分的に多様性の考慮に基づいている場合には引き続きフラグを立て、多様性を考慮しない代替推奨を提示する方針です。

その他のマクロトレンド

企業様は以下の関連事項に留意し、年次報告書全体に必要な変更を反映していただく必要がございます。

  • 政府閉鎖:最近の政府閉鎖の長期化と不確実性が、企業の事業にどのような影響を与えたか(影響があった場合)。今後、政府閉鎖が長期化する可能性やそれに伴う影響の全容について、自社の「リスク要因(Risk Factors)」や「経営陣による財政状態および経営成績の検討と分析(MD&A)」のセクションで適切に考慮・説明されているか。
  • 関税:2025年を通じて米国の通商政策は変動し、物品コストの上昇からサプライチェーンの寸断、消費者心理の変化に至るまで、無数の新たな課題をもたらしました。企業は、米国の通商政策や関税の変更が事業部門、MD&A、リスク要因、および財務諸表に与える影響を引き続き評価していただく必要がございます。
  • 地政学的対立:その範囲は変化しているものの、現在進行中の地政学的対立は頻繁に取り上げられる開示トピックです。企業が地政学的リスクに関する既存の開示を見直す際には、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や中東紛争の進展に関するアップデートを検討するだけでなく、南米における米軍の軍事行動がもたらす潜在的な影響についても考慮していただく必要がございます。

議決権行使助言会社の方針更新

ISSおよびグラス・ルイスの2026年プロキシシーズン向けガイドラインの更新には、前年からの実質的な変更は含まれていません。両社とも、役員報酬方針と業績連動型報酬(ペイ・フォー・パフォーマンス)モデルを更新しました。特にISSは、Say-on-pay(役員報酬の承認)議案に対する賛成票が少ない場合(すなわち、投票数の70%未満)の取締役会の対応に関するアプローチを更新し、エンゲージメントに向けた有意義な取り組みを開示しているにもかかわらず、株主から具体的なフィードバックを得られなかった企業に対する猶予を設けました。さらに、ISSは取締役会の対応を評価する際、重要な企業活動(合併や委任状争奪戦など)や、その他の関連する報酬措置または要因を考慮するようになります。またISSは、非従業員取締役の高額報酬に関する方針も変更し、既定のパターンが確立されている場合だけでなく、極端に高額な取締役報酬が提示された最初の年においても、反対推奨(Adverse recommendation)が正当化される可能性があるとしました。一方グラス・ルイスは、業績連動型報酬方針において「成績評価(グレーディング)システム」に代わり「スコアカード方式」を採用しました。また、基本定款および付属定款の改定に関する方針を1つのセクションに統合し、改定案はケースバイケースで審査されることを明記するとともに、複数の改定案を1つの議案に束ねることへの反対姿勢を強調しています。

※ISSおよびグラス・ルイスの主要な方針更新の前年比較につきましては、本クライアントアラート末尾の附属書Aをご参照ください。

議決権権行使助言会社を取り巻環境の変化

ISSおよびグラス・ルイスは、2026年のプロキシシーズンに影響を与えるビジネスモデルの重要な変更を発表しました。

  • グラス・ルイス:2026年は、グラス・ルイスが自社の「社内」議決権行使ガイドラインに基づき、行使推奨と分析を記載した単一の議決権行使リサーチレポートを発行する最後の年となります。2027年以降は、顧客の多様な視点を反映し、対象企業をカバーする複数の個別リサーチレポートを発行します。CEOのボブ・マン氏が「機関投資家の多様化により、従来の画一的なモデルはもはやニーズを満たしていない」と述べた通り、同社は2028年までに全顧客をそれぞれのニーズに合わせたカスタム行使アドバイスへ移行させることを約束しています。さらに、同社は投資顧問業者として登録を行うことも発表しました。
  • ISS:引き続き従来のリサーチレポートおよび行使推奨を発行しますが、行使推奨を切り離したレポートを提供する「Gov360」と、顧客が独自方針に基づきレポートをカスタマイズできる「Custom Lens」という2つの新プロダクトを導入しました。なお、ISSはすでに投資顧問業者として登録されています。

また、来年(プロキシシーズン後になる可能性が高いですが)の議決権行使助言会社の推奨に影響を与える可能性のある、立法、行政、および司法の動きが多数保留中、または検討されています。

  • 連邦政府レベル:過去10年にわたり、共和党および民主党の両政権は、SECの規則制定やガイダンスを通じて議決権行使助言会社を規制しようと試みてきました。2025年12月、トランプ大統領は、SEC、連邦取引委員会(FTC)、および労働省による規則制定と執行を通じて、助言会社の影響力を抑えるための多角的なアプローチを概説した大統領令を発令しました。また連邦議会では、助言会社を規制する複数の法案が審議中です。例えば、「Corporate Governance Fairness Act」は「主要な」助言会社に対して1940年投資顧問法に基づく投資顧問業者としての登録を義務付けるものです。また、「H.R. 3402」は機関投資運用者に対して、助言会社と契約する際に特定の情報を開示する年次報告書をSECに提出することを義務付け、「Stopping Proxy Advisor Racketeering Act」は取引所法を改正し、利益相反がある場合に助言会社がアドバイスを提供することを禁止する内容となっています。さらに2025年11月には、FTCが両社による反トラスト法違反の有無について、特にDEIやESG問題に関する競争慣行およびガイダンスに焦点を当てて調査を開始したと報じられました。
  • 州レベル:アーカンソー州、フロリダ州、カンザス州、オクラホマ州、ウェストバージニア州を含む多くの州が、州関連機関が上場企業への投資持分についてどのように議決権を行使するかを規制し、どのような情報(議決権行使助言会社の推奨など)を考慮できるかを制限する法律を採択しています。

テキサス州はさらに踏み込み、2025年6月に上院法案(SB 2337)に署名して法制化しました。同法は、テキサス州に本社を置く、同州で設立された、あるいは同州へ移転する上場企業に対して、議決権行使推奨やその他の議決権行使助言サービスを提供する議決権行使助言会社を規制するものです。同法は、ESGやDEI要因に基づく助言や、取締役会の推奨と矛盾する推奨など、「もっぱら株主の財務的利益のために提供されたものではない」議決権行使助言サービスに対して、強制開示およびその他の義務を課しています。同法は現在、司法審査を待つ間、執行が停止されています。8

7月、ミズーリ州司法長官は、ISSおよびグラス・ルイスが「急進的な」ESGおよびDEIアジェンダを推進していることに関する情報開示要求に従うよう求め、両社に対する調査を開始し、訴訟を提起しました。2025年9月にはテキサス州司法長官が、グラス・ルイスおよびISSが「健全な財務原則」よりも「急進的な政治的アジェンダ」を優先することにより投資家や上場企業を誤導している可能性があると主張し、両社の調査を発表しました。さらに2025年11月にはフロリダ州司法長官は、両社がフロリダの消費者を誤導し、ESGアジェンダを押し付けるために影響力を行使し、競争を防ぐために足並みを揃えて行動することに合意したと主張し、ISSおよびグラス・ルイスに対する執行措置を提起しました。

  • 最近の裁判所の判決:2025年7月、米国コロンビア特別区巡回区控訴裁判所は、助言会社が発行する議決権行使に関する助言は取引所法上の「勧誘」には当たらないとの判決を下し、5年以上にわたる不確実性と混乱に終止符を打ちました。連邦最高裁への上訴が行われない限り、この判決により、助言会社の推奨が取引所法の委任状勧誘規定に基づく「勧誘」を構成するという理論に基づき、助言会社に責任を負わせようとしてきたSECの長年の規制強化の取り組みは事実上終了することになります。

規則14A-8に基づく株主提案の除外プロセス

SECの声明が今年のプロキシシーズンにおける企業財務局(Division of Corporation Finance)の役割にどのような影響を及ぼすかは依然として不透明であり、上場企業の委任状に含まれる株主提案の数が増加する可能性があります。9 SECのノーアクションレターが得られない場合、株主から裁判で提訴されるリスクがあるため、企業は適用除外要件に依拠して株主提案を除外できると結論付けることに消極的になるかもしれません。一方で、この新たな状況下では、SECの立場を踏まえて提案者との交渉において企業側に主導権が戻る可能性も考えられます。

ISSは新たなFAQにおいて、連邦および州法における株主提案プロセスの長年にわたる重要性を強調し、SECのガイダンスがない中、企業に対し、株主提案のトピックおよびそれを株主投票にかけることの妥当性に関する広範な判例を活用するよう指示しています。さらにISSは、企業に対し、「通常業務(ordinary business)」の根拠に基づく除外、あるいは「実質的な実施(substantial implementation)」または「直接的な矛盾(directly conflicts)」の除外規定に基づく除外決定の理由を明確に説明するよう求めています。提案を除外する明確かつ説得力のある根拠が示されない場合、ISSはリサーチレポートで当該除外をハイライトすることから、異議(contentious)フラグを立てること、さらには企業の議案の1つ以上に対して反対推奨を行うことまで、段階的なペナルティ措置を規定しています。

グラス・ルイスも方針ガイドラインの中で、株主提案プロセスが期差任期制(スタッガード・ボード)の廃止といった重要なガバナンス改革をもたらしてきた意義を強調し、マテリアルな重要性を持つすべての事項について株主が投票する機会を提供することの重要性を強調しました。一方で、すべての提案が株主の長期的利益に資するわけではなく、企業に過度な負担を強いる可能性もあると指摘しています。同社は、今後の動向次第でシーズン途中でも株主提案に対するアプローチを更新する権利を留保しています。

実務的な確認事項

今年、企業様が対応リストに追加していただく事務的な確認事項がいくつかございます。

  • SOX法に基づく認証:代表執行役および財務責任者は、SOX法第302条および第906条に基づき、年次および四半期報告書を認証することが義務付けられています。SECは、2024年のAIユースケースインベントリにおいて、第302条の認証不備を特定するためにAIを活用する計画を明らかにしています。SECからの指摘を避けるため、企業は自社のSOX認証を見直し、宣誓文の文言が法令と完全に一致しているかをご確認いただく必要がございます。
  • 規則405に基づくプロキシ開示:報告対象企業は委任状(またはPart IIIの情報を含む場合はForm 10-K)において、第16条の申告義務者(Section 16 filers)による第16条(a)に基づく報告の提出遅延(delinquent reports)を開示することが義務付けられています。EDGAR Nextへの移行に伴い、2025年は第16条に基づく報告書の遅延件数が増加している可能性がございます。企業の皆様は、提出遅延を正確に把握するため、第16条報告書の適時性をご見直しいただく必要がございます。
  • XBRLのタグ付け:SECは2025年7月に、XBRLのタグ付けにおける浮動株(パブリック・フロート)の数値の適切なスケーリング(桁数の調整)を確認し、報告日とタグ付けされた日付の間の一貫性をチェックするよう報告対象企業に注意を喚起しました。特に、完全な数値を記載せず「百万」等の単位を用いて表記される場合、浮動株の数値が正確にタグ付けされているかを確実にご確認いただく必要がございます。

今後を見据えて

2026年に影響を及ぼす可能性のある立法および規制の優先課題が多数進行中です。SECの「2025年春期規制柔軟性アジェンダ」では、開示実務の合理化、シェルフ登録プロセスの近代化に加え、EGC(新興成長企業)が利用可能な特例(アコモデーション)の拡充、および適用除外オファリングの枠組みの更新などを図る意図が予告されていました。SECはまた、役員報酬開示要件に関するラウンドテーブルでのフィードバックや、外国民間発行体(FPI)の適格要件に関するコンセプト・リリースへの回答も検討しています。10

さらに、四半期報告義務の過度な負担に関するトランプ大統領の発言を受けて、アトキンス委員長は、SECが報告企業に対し、四半期ベースではなく半期ベースでの財務開示を認める規則案を提示する可能性を示唆しています。

立法面では、FPIの役員等に第16条(a)の報告義務を課す「Holding Foreign Insiders Accountable Act(外国インサイダー説明責任法)」が成立したほか、「Expanding WKSI Eligibility Act(WKSI適格性拡大法)」(成立した場合、発行体がWKSIステータスを取得するために必要な浮動株の基準を4億ドルに引き下げるもの)など、資金調達や開示に影響を与え得る多数の法案が審議中です。11

確立された開示義務が潜在的な変更の的となっている現在、企業様におかれましては、2026年中の立法および規制の動向を常に把握し、遅れをとらないようにしていただくことが極めて重要となります。

附属書A

以下の表は、2026年のプロキシシーズンに向けて各議決権行使助言会社が行った議決権行使基準の主な変更点を要約したものです。

ISSの最新情報

 

2025年方針

2026方針

不平等な議決権
(Unequal Voting Rights)

一般的に、不平等な議決権を持つ普通株式の資本構成を有する企業の取締役に対し、一部の限定的な例外を除き、反対または棄権を推奨する。

不平等な議決権をもつ「あらゆる複数種類株式の資本構成」へと適用拡大。本方針の例外が拡大され、転換を前提として議決権を行使する転換優先株式や、低い投票率の補填・議論の余地のない議案の承認など、議決権の高い株式の期間および適用範囲が限定されている状況が含まれるようになった。

 

新規上場企業に対する最長7年サンセット条項という例外に変更はなし。

デュアルクラス
構造

(Dual Class Structure)

 

一般的に、説得力のある合理的な理由がない限り、新たな種類の普通株式の導入に反対を推奨する。

適用範囲を拡大し、一定の条件が満たされない限り、普通株式よりも優越する議決権を持つ「新しい種類の優先株式」の創設に対しても、一般的に阪大を推奨することを明記した。

業績連動型報酬

(Pay-for-Performance)

ISSは、CEOの報酬とピアグループ(同業他社)との連動性、および企業の総株主利回り(TSR)との連動性を評価する。

企業のピアグループに対するTSRランクとCEOの報酬ランクの連動性を評価する測定機関を、3年から5年に延長。ピアグループに対するCEOの総報酬額の測定期間、直近の事業年度だけでなく1年および3年の測定期間を含むよう調整。

 

一次分析で長期的な業績連動性が著しく不十分と示された場合に追加考慮される「定性的要因」が更新され、「長期的視点を示す株式報酬の権利確定および/または保有要件」が含まれるようになった。

報酬委員会及び
取締役会の対応
(Compensation Committee and Board Responsiveness)

賛成票が70%未満であった前回のSay-on-pay提案(役割報酬)議案に対し企業が適切に対応できなかった場合、ISSは、主要機関投資家とのエンゲージメントの度合いや投資家の具体的な懸念事項など、列挙された要因を考慮する。

取締役会の対応に関する方針が更新され、企業が株主から具体的なフィードバックを得られなかった場合でも、有意義なエンゲージメントの取り組みを開示していれば、企業の対応アクションと株主への利益に関する説明に基づいて評価を行うこととなった。

 

さらに、考慮される追加要因に、合併へ委任状争奪戦などの「最近の重要な企業活動」が含まれた。報酬委員会の対応方針は、個別に要因を列挙するのではなく取締役会方針を参照する形に変更された。

 

ISSの最新情報

 

2025年方針

2026方針

従業員取締役の高額報酬
(High Non-Employee Director Pay)

非従業員取締役の過剰な報酬パターンが2年以上見られ、それが説得力のある根拠等で正当化されない場合、一般的に非従業員取締役の報酬を決定する委員会の取締役に対して反対を推奨する。

このパターンが「連続した」高額報酬の年によって示される必要はない旨を明記。また、取締役報酬が「極端に高額」とみなされる場合には、初年度であっても反対推奨を行う可能性があることを明記するよう改定された。

株式報酬プラン・スコアカード
(Equity Plan Scorecard)

株式報酬プランは、「プランのコスト」「プランの特徴」「付与の実行」の3つの柱で構成されるスコアカードを用いて評価される。

「プランの特徴」に「非従業員取締役に対する現金建て報酬の限度額」を評価要因として追加。「付与の実行」要因を改定し、(i)CEOの株式報酬の権利確定スケジュール評価時の過去3年間の遡及評価を削除、(ii)プラン推定存続期間の算出方法への言及を削除、(iii)CEO株式報酬の業績連動割合の評価はISSが判断する旨を明記。また、肯定的な特徴の欠如が反対推奨の決定要因になり得る旨を明記した。

政治的・社会的環境的株主提案
(Political, Social and Environmental Proposals)

企業に対し、気候変動関連リスクに関する情報の開示、GHG排出量に関する報告書の提供、企業またはサプライヤーの人権基準に関する報告の提供、あるいは企業の政治献金に関する情報の開示を求める提案については、一般的に賛成を推奨する。GHG削減目標を求める提案については、様々な要因に基づきケースバイケースで判断する。

気候変動リスクに関する開示、温室効果ガスに関する報告、企業またはサプライヤーの人権慣行に関する報告、および政治献金の開示要求に関連する提案については、追加的な要因を考慮に入れ、ケースバーケースで評価されると規定するよう方針が改定された。

グラス・ルイスの最新情報

 

2025年方針

2026方針

義務的仲裁
(Mandatory Arbitration)

独立した項目なし。

IPO、スピンオフ、または直接上場の完了時に、連邦証券法に基づく請求に関する義務的仲裁条項をその他の制限的条項と併せて基本定款等に盛り込んだ場合、ガバナンス委員会のメンバーに対する反対推奨を行う可能性がある。

 

一定の要件を満たさない限り、同条項を導入するいかなる提案にも一般的に反対を推奨する。

 

グラス・ルイスの最新情報

 

2025年方針

2026方針

業績連動型報酬
(Pay-for-Performance)

スコアカード方式を用いて、報酬と業績の連動性に基づき企業にA – Fのレターグレード(評価ランク)を付与していた。

以下の6つのテストを通じて企業にポイントを付与するスコアカード方式を採用:(i)付与されたCEO報酬 vs. TSR、(ii)付与されたCEOの報酬 vs. 財務実績、(iii)CEOの短期インセンティブ(STI)支給 vs. TSR、(iv)NEO(指名執行役員)の総報酬 vs. 財務実績、(v)CEO報酬 vs. 財務実績、(v) CEOの実際の支給報酬 vs. TSR、(vi)定性的要因。

 

最終スコア(加重合計)は5つの懸念レベルに分類され、0-20点は「深刻な懸念」、81-100点は「無視できる懸念」となる。

規則14A-8の手続および取締役会の多様性
(Rule 14a-8 & Board Diversity)

グラス・ルイスの議決権行使に関する推奨では、以下の事項を考慮する。

 

  • 根本的な問題の性質
  • 株主への利益
  • 株主提案と経営陣による提案の条件間の相違の重要性(マテリアリティ)
  • 企業の株主構成、企業構造およびその他の関連状況の背景事情。
  • 企業の全体的なガバナンスのプロファイル、および具体的には、株主への対応状況。

 

企業が株主提案を除外したことが、株主にとって不利益になるとグラス・ルイスが判断した場合、ガバナンス委員会のメンバーに対する反対推奨を行う可能性がある。

グラス・ルイスは引き続き同様の要因(2025年の評価基準)を考慮し、 株主が 提案を提出する権利はコーポレートガバナンスが適切に機能するために極めて重要であると考えている。しかしながら、グラス・ルイスは、ガバナンス委員会のメンバーに対する反対推奨に関する文言を削除し、代わりに、SECのノーアクション要請プロセスの変更が2026年のプロキシシーズンに与える影響を注視し、ガイドラインを更新する可能性がある旨を追記した。

取締役会の多様性
(Board Diversity)

DEIを含む違法な差別および優遇措置を終わらせるという連邦政府が表明した目標を踏まえ、多様性の考慮に関する補足声明(Supplemental Statement)を導入した。これに従い、グラス・ルイスは、少なくとも部分的に多様性の考慮に基づいている取締役選任議案に対するすべての推奨にフラグを立て、多様性を考慮しない第2の推奨を提示することを発表した。

 

米国企業における多様性の考慮に関する2025年補足声明(2025 Supplemental Statement on Diversity Consideration at US Companies)から変更なし。

 

グラス・ルイスの最新情報

 

2025年方針

2026方針

株主の権利
(Shareholder Rights)

グラス・ルイスは、株主の権利の保護に基づいてガバナンス委員会のパフォーマンスを評価する。グラス・ルイスは、取締役会が特定の株主の権利を縮小または削除するために会社の基本定款等を改定した場合、株主に対し、ガバナンス委員会の議長または委員会全体に反対票を投じるよう推奨することを検討する。

グラス・ルイスは、ガバナンス委員会の議長または委員会全体に対する反対推奨を検討する要因となる株主の権利縮小のリストを拡大し、(i)株主が株主提案を提出する能力、または株主代表訴訟を提起する能力を制限する基本定款等の改定、あるいは(ii)取締役の選任において、過半数投票基準ではなく相対多数投票基準を導入する基本定款等の改定を含めた。

特別多数決議
(Supermajority Voting)

グラス・ルイスは、株主に提示されたすべての事項を承認するための一般的な基準は単純過半数であると考えている。

グラス・ルイスは、特別多数決議要件を撤廃する提案をケースバイケースで審査する。大株主または支配株主が存在するケースにおいては、グラス・ルイスは、少数株主の利益を保護するために特別多数要件が適切である場合があると考えている。

基本定款などの改定
(Amendments to Governing Documents)

独立した項目なし。

提案された改定案は、ケースバイケースで評価される。グラス・ルイスは、基本定款等に対する複数の改定を1つの議案に束ねることに反対しており、そのような場合には、総合的に見て改定が株主の最善の利益に合致する場合にのみ、その議案への賛成を推奨する。

 

一般的に、グラス・ルイスは、株主の利益に重大な悪影響を及ぼす可能性が低い改定案については賛成を推奨する。

1これらのテンプレートは、2026年の報告サイクルにおいては任意です。

2 執行部はまた、SECに提出された開示書類において「AIウォッシング」を行った企業に対しても措置を講じています。例えば、2025年1月14日、SECはかつて上場していたレストラン・テクノロジー企業であるプレストオートメーション社からの和解案を受諾しました。SECは、同社がSECへの提出書類および関連する証券募集において、自社のAI搭載の自動音声注文技術の所有権および自律性に関して、重大な虚偽および誤解を招く記述を行ったことにより、証券法第17条(a)(2)、取引所法第13条(a)ならびに同規則13a-11および13a-15に違反したと主張しています。

3サイバーセキュリティ開示制度の概要については、「The SEC Adpots Cybersecurity Disclsure Regime for Public Companies(SEC、上場企業向けのサイバーセキュリティ開示制度を採択)」をご参照ください。

4SECは、以下の事項に関する開示を求めるコメントレターを発行しています。(1)サイバーセキュリティの重大なリスクを評価・特定・管理するためのプロセスを、全社的なリスク管理システムやプロセスへ統合している状況、(2)同プロセスにおける評価機関、コンサルタント、監査人等といった第三者の関与の度合い、ならびに(3)第三者サービスの利用に伴う脅威からのリスクを監督・特定するための企業のプロセス。

5Erik Gerding、Disclosure of Cybersecurity Incidents Determined To Be Material and Other Cybersecurity Incidents (May 21, 2024)、https://www.sec.gov/newsroom/speeches-statements/gerding-cybersecurity-incidents-05212024.

6さらなる洞察については、「SEC Cybersecurity Incident Disclosure Report(SECサイバーセキュリティ・インシデント開示レポート)」をご参照ください。

7 進化するDEIの状況を形作る、変化しつつある法的・規制的背景の概要については、以下の弊所のクライアントアラート等をご参照ください。

8テキサス州法に関する追加情報については、「Regulating Proxy Advisors: Court Rules Advice Is Not a ‘Solicitation’ and Texas Enacts Its Own Law(議決権行使助言会社の規制:裁判所は助言が『勧誘』ではないと判示し、テキサス州は独自の法律を制定)」をご参照ください。

92025年11月17日、SECは、規則14A-8(i)(1)(企業が設立された管轄区域の州法の下で不適切とされる株主提案の除外を認める規定)に基づく除外に関するノーアクション要請を除き、企業が規則14A-8に基づいて提出された株主提案を企業が除外する計画についてのノーアクション要請には回答しないという声明を発表しました。企業が委任状資料から、株主提案を除外する計画である場合、当該除外についてSECに対しノーアクションの救済を求める資格があったかどうかにかかわらず、企業は引き続き、確定版の委任状および議決権行使書面を提出する少なくとも80日前までに、除外の意向をSECに通知しなければなりません。企業が通知の中に、規則14A-8、過去に公表されたガイダンス、または司法判断に従って、委任状資料から提案を除外する合理的な根拠を有しているという留保のない表明(unqualified representation)を含める場合、SECは当該提案の除外に反対しない旨を示す書簡を提供する用意があります。

10コンセプト・リリースの概要については、「SEC Consept Release on Foreign Private Issuer Eligibility: A Portent for the Foreign Private Issuer Regulatory Framework?(外国民間発行体の適格性に関するSECコンセプト・リリース:外国民間発行体規制枠組みの前兆か?)」を、SECの役員報酬に関するラウンドテーブルの要約については「Public Company Watch: Q2 2025」をご参照ください。

11追加情報については、「Foreign Private Issuers to Be Subject to Section 16(a) Reporting Obligations(外国民間発行体が第16条(a)の報告義務の対象に)」をご参照ください。

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Doug Brown

Of Counsel, Securities and Capital Markets